今回は、楽器の選び方についてまとめてみたいと思います。というわけで、まずはサックスから。

サックスは構造が非常に複雑なので、一部のスペックで比較ができるほど簡単ではありません。また、同じメーカーでもモデルによって全く傾向が異なるため、「ヤマハは○○、セルマーは○○」というようなメーカーごとの比較をすることもできません。なので、極端に安い楽器を避けたうえで、「予算の範囲内の楽器をひたすら吹き比べてみる」というのが最も正しい選び方と言えるかもしれません。

また、楽器本体以上にマウスピースやネックが音色に与える影響が大きいので、楽器だけで比較するのはあまり意味がないのかもしれません。

とはいえ、楽器選びのスタートポイントとして、以下にあげるような比較ポイントを把握しておくことは重要です。

キーのメカニズム

サックスのキー操作に関するメカニズムは年々進化してきており、アルトサックスの「High F#キー」やバリトンサックスの「Low Aキー」のように音域を拡張するための機構が追加されたり、「連動テーブルキー(シーソーキー)」のように難しいパッセージを吹く際のキーアクションを楽にするための機構が考え出されたりしてきました。

これらの機構は、入門用の楽器では省略されていることもあり、「この機構がついてないからこのフレーズが演奏できない」ということはまずありませんが、操作性への影響は少なくないため、楽器を選ぶ際には十分に確認・検討する必要があります。

中古の楽器に関しても、古い楽器には(そもそも時代的に)そういった機構がついていないものがありますので、こちらも注意が必要です。(極端な話、発明初期のサックスにはオクターブキーが二つついていて、音域によってオクターブキーを使いわけていたそうです。驚きですね。)

管体の材質

金管楽器の材質としてはイエローブラス(七三黄銅)と呼ばれるものが最も一般的で、こちらは銅7割と亜鉛3割の合金です。これより銅の比率が多い素材(ゴールドブラス、レッドブラスなど)になると、音が柔らかくなる傾向にあります。

銅の割合が高いほど金属加工が難しくなるため、その分価格も高くなる傾向にあります。

表面処理

管体の表面に金メッキや銀メッキをほどこしたものは、吹いたときの抵抗感が強くなり、その分音の輪郭が出やすくなると言われています。アンラッカーのモデルは、一般的に「そば鳴りしやすくなる(自分の音を聞きやすくなる)」と言われ、コンボやソリスト系のプレイヤーに好まれる傾向にあります。

主要なモデル

種類 メーカー モデル
アルト Yamaha YAS-480
アルト Antigua Pro One
アルト Yanagisawa A-WO1
アルト Yamaha YAS-62
アルト H.Selmer Reference
テナー Yamaha YTS-480
テナー Antigua Pro One
テナー Yamaha YTS-62
テナー Yanagisawa T-WO1
テナー H.Selmer SA80 Series2
バリトン Jupiter BS-593GL
バリトン Yamaha YBS-41II

選び方

楽器を実際に購入する際には、以下の5つのポイントに気を付けてください。

  1. 必ず試奏してから買うこと。安くてもネット通販などでは買わないこと。
  2. 可能であればレギュラーの先輩にも同行してもらうこと。
  3. 試奏するときには、必ず使い慣れたマウスピースを持参すること。
  4. 希望するモデルが決まった際には、可能であれば同じモデルどうしで2~3本吹き比べてみること。
  5. 中古品を買う際には、新品の楽器も一緒に試奏して、キーアクションの状態などをよく見極めること。

「高い楽器=良い楽器」というわけでもありませんし、アマチュアが楽しむ程度であれば入門モデルでも十分ですので、じっくり比較検討してから購入しましょう。

 

おすすめ記事

・楽器の選び方①(サックス編)

・楽器の選び方②(トロンボーン編)

・楽器の選び方③(トランペット編)

・楽器の選び方④(ギター編)